梅仕事の楽しみは、一度漬けて終わりではありません。
せっかく作った自家製の「白梅干し」。そのままでも美味しいですが、そこからさらにひと手間加えて、まろやかな「はちみつ梅干し」へ変身させてみませんか?
この記事では、私が実際に白梅干しをベースに、はちみつ梅干しへと作り替えた過程を詳しくご紹介します。塩分の調整や、漬け直す際のポイントなど、実際にやってみてわかったリアルな記録です。「今年は味のバリエーションを楽しみたい」という方は、ぜひ参考にしてみてください。
白梅干しからはちみつ梅干しへ!二段構えの梅作り

お漬物は長期保存のための知恵だったと聞きます。塩漬けにすることで長期保存できるようになるわけですが、塩分濃度が濃ければ濃いほど長期保存に向くものの、食べるとかなり塩辛い出来栄えに。
しかし、塩分濃度を低くすればするほどカビの発生や腐敗の可能性が高くなります。高い塩分濃度は食品の保存に役立っているわけです。
とはいえ、そのまま食べるとなかなかに強烈な塩気に襲われます。そこで、梅干し自体は高塩分で作って保存性を高めておき、直近で食べる分だけ塩抜きして、さらにハチミツで調味すれば白梅干しからハチミツ梅干しが完成します。
最初からハチミツを含んだ漬け込み液で梅を付ければよいのではないかと思うかもしれませんが、先に白梅干しを作ることは保存性を高めるだけでなく、後から味の調整もできるというメリットもあるのです。
【実践】白梅干しをはちみつ梅干しに作り替える手順

塩抜きは計算して行います。
- 梅干し(塩分濃度20%)✕250g
- 塩✕50g
- 水✕700ml
- 水に浸す時間:15時間(常温)
単純計算ですが、これで梅干しに含まれる塩分と見ずに含まれる塩分が均一になるなら、梅干しに含まれている塩分も含めて塩分が全重量の10%になる計算です。
現在ではもっと塩分濃度の低い梅干しも売られています。しかし、塩分濃度がおおむね15%を切る梅干しは常温保存ができないものと考えた方が良いです。塩抜きをすることで保存性は悪くなります。それを回避するためには冷蔵庫に保管するという方法があります。塩抜き後は冷蔵庫へ!
なお、この後のハチミツ調味液に漬けこむ工程でも塩分は抜ける物と考えての10%でした。
塩抜き後に天日干しは厳禁!

塩水に15時間浸けた後、そのまま次の工程へは行かず、天日干しをして乾燥させたときは、ハチミツ調味液に漬けた後にシワシワになってしまいました。時間にして4時間程度天日干ししておりましたが、この時に水分を飛ばしてしまうと失敗します。
干した梅を一つ食べてみると、塩抜きをする前よりも格段に食べやすくなっていましたので、ハチミツ調味液に漬けず、単に塩抜きしたいだけの場合は上記の通り天日干しして完了となります。
が、しかし!私の目的はハチミツ梅干しを作ることだったので、後日再挑戦しました。もちろん再挑戦した時は天日干しをしませんでした。

一度天日干ししてシワシワになった梅干しにしっかり水分を補給し、最低でもふっくらとした状態までは水に浸しておいた方が良いでしょう。
塩抜きに使う容器はなんでも良いと思いますが、金属は避け、塩分と水分に強い素材のものを使う方が良いと思います。私はプラスチック容器で行いました。なお、塩抜きは常温で行いました。
多少の水分が抽出されても大丈夫なように、塩抜き作業の際に水を吸わせることが成功のカギとなると思われます。ハチミツ調味液に漬けこむ際の浸透圧によって梅がシワシワになってしまうのを防ぐためです。
作業をしているときの気持ちはあたかもブライニングをしているかのようでした。ブライニングとは肉や魚を調理する前に、調味液に浸しておくことを言います。調味料が染み込むだけではなく、水分を吸わせることで調理後もふわふわで柔らかい食感となり、ぱさぱさになるのを防ぐことができるのだとか。ただでさえ調理をすることで水分が出てしまうので、最初に水分量を増やすという概念のようです。
そう、塩抜きの作業ではありましたが、梅干しをブライニングをしているかのような効果があったのだと思っています。
はちみつ梅のための調味液

ハチミツ調味液は、糖度が20%前後になるように計算して作ります。以前糖度約51%で作った時は梅から水分が抜けてシワシワになりました。この糖度約51%の失敗作については後述します。
好みにもよりますが、糖度20%前後にするために、重量などを量り、計算しながら作業を進めました。水を吸わせた梅干しをハチミツ梅干しにするためのハチミツ調味液は以下の分量で作りました。
- 梅干し:250~300g
- ハチミツ:100g(糖度80%)
- 水:50g
ハチミツと水を混ぜた後、それを沸騰させ、冷ましてから梅干しを漬けこみました。これで計算上では糖度17.8~20%になります。
注意:過去の失敗例

塩抜き後に天日干しし、さらに糖度の高い調味液に漬けこむとシワシワの梅干しになってしまいます。特に、みりんとハチミツで作る調味液の場合はみりんの糖度も計算に入れる必要があります。
失敗した時は『みりん200ml、ハチミツ50ml、塩5g』で挑戦しましたが、計算してみるとこれでは糖度が約51%になります(みりんの糖度45%、ハチミツの糖度80%で計算)。今考えるとこれは甘すぎです。
みりんも含め、糖度が20%前後になるように計算すると良いです。
漬け込み期間と、完成までの経過観察

調味液の漬け込みにはビニール袋を使いました。なぜなら調味液が少なかったことと、ゆすったりしやすそうだったからです。できるだけ袋の中の空気を抜いて縛り、それを冷蔵庫に二日間入れておきました。
水やみりんなどで薄めたハチミツ調味液に塩抜きした梅干しを漬けこみますが、漬け込む時間は二日程度、48時間程度で十分でした。
漬け込んでいる間、日に何度か上下をひっくり返したり、中の調味液をゆすったりして糖分に偏りが出ないように気を付けました。梅酒なんかも、糖分が偏ることで底部分にある梅だけがシワシワになったりします。梅干しでも同じことが発生すると考え、できるだけ多く全体をゆするなどして調味液を撹拌させ、糖分に偏りが出ないようにしました。
実際に食べてみた感想!自家製はちみつ梅干しの味は?
出来上がったハチミツ梅干しを実際に食べてみたところ、もともとの白梅干しよりも格段に食べやすくなっていました!
昔ながらの塩分18~20%の白梅干しは保存性に優れるというメリットはありますが、やはり塩分が多く、梅の酸味と相まってなかなか強烈だったりします。その点、このハチミツ梅干しは塩分濃度も低くなりますし、さらにハチミツ調味液で2日漬け込むことでかなりまろやかになります。
| 白梅干し | ハチミツ梅干し | |
| 塩分 | 18~20% ※作り方によりますが、我が家ではこの塩分濃度です。 | 10% |
| 糖度 | 0として計算 ※完熟梅の場合10%前後の糖度になるようです。 | 約20% |
| 酸味 | 強い | 弱い |
| 味 | しょっぱい&すっぱい | 甘じょっぱい&すっぱい ※白梅干しと比べるとまろやか |
| 食べやすさ | △ | ◎ |
| 保存性 | ◎ | △ ※冷蔵庫保存でできるだけ早く食べきります。 |
これなら普段梅干しを食べない家族も食べられる!と思ったのですが、食べてくれたのは1人だけ。おいしいとは言っていましたが、「また食べたい味」ではないようでした。
いいんです。なんとなく日本の味を思い出したくて作っているだけなので、半ば自己満足みたいなものです。それに梅酢も入手できるので、梅酢を使った漬物なども作れるようになります。
まとめ|梅仕事は自分好みの味を育てる楽しみ
調味液の分量は好みに合わせて変えてみてください。今後もさらにおいしいハチミツ梅干しを作るべく、私もいろんな分量で挑戦してみるつもりです。
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